愛犬の健康のために無添加ドッグフードを選びたいと考える方は多くいます。市販のドッグフードには添加物が含まれており、愛犬の健康に影響を与える可能性があるからです。この記事では、無添加ドッグフードの特徴やメリット、デメリット、選び方のポイントを解説します。
記事を読めば、愛犬に最適な無添加ドッグフードを見つけられます。無添加ドッグフードを選ぶ際は、原材料や栄養バランス、産地、安全基準などをチェックすることが大切です。愛犬の年齢や健康状態、アレルギーの有無なども考慮して、最適なフードを選びましょう。
無添加ドッグフードの基礎知識

無添加ドッグフードの特徴は、人工的な添加物や保存料を含まない点です。栄養バランスに優れ、アレルギーのリスクも低いため、愛犬の健康維持に役立ちます。無添加ドッグフードの基本的な知識として以下を解説します。
- 無添加と自然素材の違い
- 無添加が推奨される理由
無添加と自然素材の違い
無添加と自然素材の違いは以下のとおりです。
項目 | 無添加 | 自然素材 |
定義 | 人工的な添加物を一切含まない | 天然由来の原料を使用している |
特徴 | 厳格な基準、加工度が低い | 天然由来の添加物を含む場合がある |
加工 | シンプルな原材料で栄養価が高い | 加工度が高い場合がある |
無添加ドッグフードは、原材料がシンプルで栄養価も高く保たれます。自然素材は天然由来の添加物を含む場合があり、加工過程で栄養価が低下する可能性もあるため注意が必要です。違いを理解したうえで、愛犬に合ったドッグフードを選択しましょう。
無添加が推奨される理由
無添加ドッグフードは、愛犬の健康維持に大きな効果があります。無添加ドッグフードが推奨される理由は以下のとおりです。
- 添加物による健康リスクの低減
- 消化器系の負担軽減
- 自然な栄養素の吸収促進
- アレルギー反応の予防効果
- 長期的な健康維持への貢献
無添加ドッグフードは人工的な香料や着色料を含まないため、犬本来の食事に近い内容になります。遺伝子組み換え原料も含まないことが多く、より自然な栄養摂取が可能です。過剰な加工を避けると食材本来の栄養価を保持し、愛犬の健康を長期的にサポートできます。
無添加ドッグフードのメリット

無添加ドッグフードのメリットは以下のとおりです。
- 健康上のリスクを低減できる
- アレルギーの改善や予防に役立つ
無添加ドッグフードは自然な原材料のみを使用しているため、栄養価が高く、愛犬の体に優しい食事を提供できます。
健康上のリスクを低減できる
無添加ドッグフードは、愛犬の健康上のリスクを大きく低減します。自然な原材料の使用と不要な添加物の排除で、期待できるメリットは以下のとおりです。
- 消化器系の問題の軽減
- 皮膚トラブルの予防効果
- 免疫システムの強化
- 慢性疾患リスクの低下
- 体重管理のサポート
無添加ドッグフードは腎臓や肝臓への負担を軽減します。体内の毒素を排出する重要な役割を担うため、負担軽減により長期的な健康維持につながります。良質なタンパク質や必須脂肪酸の影響で、毛艶や被毛の改善も可能です。人工的な甘味料や添加物を含まないため、歯垢や歯石の形成も抑制されます。
アレルギーの改善や予防に役立つ
無添加ドッグフードは、アレルギー症状の改善や予防に大きな効果があります。アレルゲンとなる原材料を含まず、消化しやすい原材料を使用しているからです。単一タンパク源を使用し、低刺激性の原材料を選んでいるため、食物アレルギーの予防に適しています。
皮膚や被毛の健康をサポートする栄養素も豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸やビタミンEなどの抗炎症作用のある成分により、アレルギー性の皮膚トラブルの改善も可能です。人工的な添加物を含まないので、添加物によるアレルギー反応も避けられます。
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無添加ドッグフードのデメリット

無添加ドッグフードのデメリットは以下のとおりです。
- 入手困難な場合がある
- 味や食感を好まない場合がある
無添加ドッグフードを検討する際は、メリットだけでなくデメリットも把握しましょう。
入手困難な場合がある
無添加ドッグフードは、一般的なペットショップやスーパーでは見つけにくい状況です。専門店やオンラインショップでの購入が主な入手方法です。製造量が限られていることも多く、人気商品は在庫切れになりやすい傾向があります。
離島や山間部など、配送業者が対応していない地域では入手がさらに難しくなります。輸入品の場合は、通関や検疫の影響で入手が遅れることもあり、余裕を持った注文が必要です。安定した供給を確保するために、定期購入サービスの利用も検討しましょう。
味や食感を好まない場合がある
無添加ドッグフードは、通常のドッグフードと味や食感が大きく異なります。人工的な香料や風味増強剤を使用していないため、慣れ親しんだ味と違うことに戸惑いを覚えやすい傾向です。保存料が含まれていないため、風味が変化しやすく、愛犬が好まない可能性も考えられます。
無添加フードは通常のドッグフードより固い場合が多く、高齢犬や歯の問題がある犬には食べにくいこともあります。徐々に慣れていくケースが多いため、愛犬の様子を見ながら根気強く続けることが大切です。食べやすさを考慮し、水やお湯で戻すなどの工夫を試しましょう。
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愛犬に合わせた無添加ドッグフードの選び方

無添加ドッグフードの選び方は以下のとおりです。
- 年齢に合わせて選ぶ
- 健康問題に合わせて選ぶ
- アレルギーに合わせて選ぶ
上記のポイントを意識して、愛犬の健康的で快適な毎日をサポートしましょう。
年齢に合わせて選ぶ
愛犬の年齢に合わせた適切な無添加ドッグフード選びが大切です。子犬期には成長に必要なタンパク質やカルシウムが豊富なドッグフードを選びます。成犬期には適度な栄養素がバランスよく含まれているものを選びましょう。シニア期には消化しやすく、関節をサポートする成分を含むものがおすすめです。
妊娠・授乳期の犬には、カロリーが高く栄養価の高いドッグフードが必要になります。母犬と胎児の健康を支える栄養素が豊富に含まれているものを選びましょう。活動量の多い犬には高タンパク質のドッグフードを選び、肥満傾向の犬には低カロリーで食物繊維が豊富なドッグフードを選びます。
健康問題に合わせて選ぶ

健康問題によって必要な栄養素や避けるべき成分が異なるため、獣医師に相談しながら選んでください。健康問題別の選び方のポイントは、以下のとおりです。
- 消化器系の問題:低刺激で消化しやすい成分
- 皮膚トラブル:オメガ3脂肪酸
- 関節の問題:グルコサミン・コンドロイチン
- 腎臓病:低タンパク質・低リン
- 糖尿病:低炭水化物・高タンパク質
- 心臓病:低ナトリウム・高タウリン
老犬には消化しやすく栄養価の高いドッグフードが適しています。健康問題に応じた適切なドッグフード選びで、愛犬の症状改善や健康維持につながります。
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アレルギーに合わせて選ぶ
アレルギー症状を持つ愛犬のためのドッグフード選びには、慎重な配慮が必要です。アレルギー症状を軽減し、健康的な生活を送るためには、原材料の確認が重要です。小麦やトウモロコシ、大豆、乳製品などの一般的なアレルゲンを含まないドッグフードを選びましょう。
単一タンパク質源のドッグフードを選択すれば、アレルギーの原因特定も容易です。ヒポアレルゲニックフードも有効な選択肢になります。アレルギー反応を引き起こしにくい原材料を使用しているため、アレルゲンに敏感な犬に最適です。
新しい原材料を含むドッグフードを与える際は、少量から始めて徐々に増やして、アレルギー反応の有無を確認しましょう。場合によっては獣医師の指導のもと、手作りドッグフードを検討するのも方法の一つです。
無添加ドッグフードを選ぶ際の注意点

無添加ドッグフードを選ぶ際の注意点は、以下を参考にしてください。
- 原材料を確認する
- 栄養バランスを確認する
- 産地を確認する
- 安全基準を確認する
原材料を確認する
原材料の確認は、無添加ドッグフードを選ぶ際に最も重要なポイントです。肉や魚などの主原料が原材料リストの上位に記載されているか確認しましょう。タンパク質源の質と量が十分であることを示すためです。人工保存料や着色料が含まれていない点も確認してください。
穀物の種類と割合も確認が必要です。一部の犬は特定の穀物にアレルギーを持っているため、アレルゲンとなる可能性のある原材料がないか注目しましょう。オーガニック認証の有無や原材料の産地も重要です。産地が明確であれば、品質や安全性をより詳しく把握できます。
原材料の品質管理体制にも注目し、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
栄養バランスを確認する
愛犬の健康を維持するためには、適切な栄養バランスを持つドッグフードを選びましょう。ポイントは以下のとおりです。
- タンパク質と脂質の配合バランス
- ビタミンやミネラルの含有量
- 年齢別の栄養基準の適合性
- 必須アミノ酸の含有量
- オメガ脂肪酸のバランス
完全栄養食か補助食かを把握し、特定の栄養素が過剰または不足していないかも確認しましょう。食物繊維の含有量やオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスも重要です。
産地を確認する

産地の確認は、愛犬の健康と安全を守るためにも欠かせない要素です。国内産か輸入品かを確認し、原材料の生産地や加工地を把握すると、食品の品質や安全性がある程度わかります。海外から輸入される無添加ドッグフードは、各国の食品安全基準や規制が異なるため、慎重な確認が必要です。
輸送距離と鮮度の関係、産地の環境や飼育方法、トレーサビリティシステムの有無なども重要なポイントです。産地の環境保護や持続可能性への取り組みを確認すれば、地球環境への配慮も可能になります。
安全基準を確認する
安全基準を確認するには、製造元の品質管理体制や第三者機関による安全性検査の実施状況を見ましょう。日本のペットフード安全法は、最低限の基準しか定められていないため、厳格な基準で製造されているかどうかの確認が必要です。
リコール履歴や原材料のトレーサビリティ、添加物や保存料の使用状況も確認しましょう。製品のパッケージやメーカーのウェブサイトで確認できます。アメリカのAAAFCO(米国飼料検査官協会)などの国際的な基準に適合しているかどうかも、選択の重要な基準です。
無添加ドッグフードに関するよくある質問

無添加ドッグフードについて、飼い主の方がよく抱える疑問は以下のとおりです。
- 無添加ドッグフードはどれくらいの期間持つ?
- 無添加ドッグフードはすべての犬に適している?
- 無添加ドッグフードに切り替えるときの注意点は?
無添加ドッグフードはどれくらいの期間持つ?
無添加ドッグフードは、人工的な保存料を使用していないため、一般的なドッグフードよりも賞味期限が短くなります。開封前は1〜2年、開封後は1〜3か月が目安です。湿気や高温に弱いので、適切な保存方法と賞味期限の管理が重要になります。常温で保存する場合は、涼しく乾燥した場所を選び、直射日光を避けましょう。
保存容器は密閉性の高いものを使用し、酸化を防ぐことが大切です。大容量の商品は小分けにして冷凍保存するのもおすすめです。変色や異臭が感じられる場合は使用を中止してください。賞味期限は製品によって異なるため、メーカーの指示に従った保存が必要です。
無添加ドッグフードはすべての犬に適している?

無添加ドッグフードはすべての犬に適しているわけではありません。健康状態や年齢、体格や活動量によって個々の犬に合う食事は異なるからです。アレルギーや消化器系の問題がある犬には効果的な場合もありますが、特定の栄養素が不足する可能性もあります。
無添加ドッグフードへの切り替えを検討する際は、必ず獣医師に相談しましょう。一部の犬には従来のドッグフードの方が適している場合もあります。必要な栄養素をバランスよく摂取できる総合栄養食であることが重要です。無添加ドッグフードは一般的に価格が高く設定されているため、長期的な継続性も考慮しましょう。
無添加ドッグフードに切り替えるときの注意点は?
無添加ドッグフードへの切り替えは、愛犬の健康に大きな影響を与える可能性があります。急激な変更は消化器系に負担をかけるため、1〜2週間かけて徐々に新しいドッグフードを混ぜましょう。切り替え期間中は愛犬の様子を注意深く観察してください。
無添加ドッグフードの切り替え時の注意点は、以下のとおりです。
- 消化器系の変化
- 食欲の変化
- アレルギー反応の有無
- 体重や毛艶の変化
- 水分摂取量の変化
変化が見られた場合は切り替えのペースを遅くするか、獣医師に相談してください。無添加ドッグフードの保存方法も確認しましょう。保存料を含まないため、適切な保存が必須です。切り替え後も定期的に健康チェックを行い、愛犬の状態に合わせて柔軟に対応しましょう。
まとめ

無添加ドッグフードは、愛犬の健康維持に役立つ選択肢の一つです。人工的な添加物が入っていない、自然な原材料を使用しているドッグフードは、健康リスクの低減やアレルギー予防に役立ちます。愛犬に合った無添加ドッグフードを選ぶ際には、年齢や健康状態、アレルギーの有無を考慮してください。
従来のドッグフードから無添加のものへ、無理のない範囲で切り替えを進めるのがおすすめです。愛犬の健康と幸せな生活を支える食事選びを心がけましょう。
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