【犬の夏バテ防止対策】熱中症の原因や症状・対処方法を徹底解説!

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暑い季節になると、犬がぐったりして元気がなくなることに不安を感じる飼い主は多くいます。夏の暑さは犬にとって深刻な問題であり、適切な対処が欠かせません。本記事では、犬の夏バテの原因、症状、予防策、対処法を解説します。

 

記事を読むと、犬を夏バテから守る方法が理解でき、暑い季節でも元気に過ごせるようになります。夏バテ対策を行い、犬の健康を守りましょう。
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犬が夏バテしやすい5つの理由

 

 

犬の夏バテとは、高温多湿な環境によって体調を崩す状態を指します。犬が夏バテしやすい主な理由は、以下の5つです。
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  • 体温調節が苦手
  • 毛皮で熱の発散が困難
  • 地面の熱の影響
  • 水分管理が苦手
  • 食欲の低下と栄養不足

 

夏バテを放置すると、体力や免疫力が低下し、熱中症や脱水症状を引き起こす可能性があります。室内でも環境温度が高い場合や夏場に散歩する際は、注意が必要です。

 

体温調整が苦手

 

犬は人間と異なり、全身に汗腺がほとんどありません。体温調整を行う汗腺は肉球しかないため、体温調節の大部分をパンティング(※)に頼っています。しかし、パンティングだけでは体温が下がらないため、温度が高い環境に適応できません。体温が下がらず体内に熱がこもり、夏バテが起きやすくなります。

 

※ パンティングとは、動物が体温調節のために舌を出し、浅くて速い呼吸をすることです。

 

毛皮で熱の発散が困難

 

 

犬は全身が毛皮で覆われているため、体内の熱の発散が苦手です。ダブルコートの犬種や長毛種は、熱がこもりやすく、夏の暑さに弱い傾向があります。以下の犬種は注意が必要です。

 

  • シベリアンハスキー
  • ゴールデンレトリバー
  • 秋田犬

 

ダブルコートや長毛種は、定期的にブラッシングをして、アンダーコートを取り除く必要があります。

 

地面の熱の影響

 

犬は四つ足で生活しているため、アスファルトやコンクリートの熱を直接受けます。真夏のアスファルトの温度は、60℃近くまで上昇することもあるため、肉球のやけどや体温の急上昇に注意が必要です。

 

夏場は日中の散歩を控えましょう。夕方以降に散歩する際も、地面の熱は残っている可能性があるため、散歩前に地面が熱過ぎないか確認してください。

 

水分管理が苦手

 

 

犬は、喉の渇きを感じるセンサーが人間と比べて鈍いため、水分不足に気づきにくく、脱水症状を起こしやすい傾向があります。高温な環境では、水分不足が夏バテを悪化させる可能性があるため、注意が必要です。主な脱水症状のサインは、以下のとおりです。

 

  • 口内の乾燥
  • 皮膚の弾力低下
  • 尿の回数は量の低下

 

指先で首の皮膚を軽くつまんで、離した際に皮膚の戻りが悪ければ、脱水の可能性があります。水分は、常に新鮮で冷たい水を用意しましょう。犬がリラックスできる場所で水分摂取を行うと、摂取量が増える場合があります。

 

食欲低下と栄養不足

 

暑さは犬にとってストレスであり、食欲を低下させる原因の一つです。食欲の低下により、必要な栄養が摂取できず、体力や免疫力が低下して、さらに夏バテが進行する悪循環が発生します。栄養が不足すると、免疫細胞の働きが低下し、感染症などの病気になりやすいため注意が必要です。
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犬の夏バテの主な症状

 

 

犬の夏バテの主な症状には、以下の4つが挙げられます。

 

  • 食欲不振
  • 異常なだるさや休息の増加
  • 水分摂取の変化
  • 呼吸の変化

 

夏バテや脱水を予防するためには、症状の早期発見と適切な対処が必要です。

 

食欲不振

 

食欲不振になると、普段の食事量が減るだけでなく、好物のおやつにも興味を示さなくなる場合があります。食欲不振に伴い、以下のような症状が出現します。
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  • 普段の食事量を食べなくなる
  • 食事を見ても反応が鈍くなる
  • 好きなおやつにも興味を示さなくなる
  • 食事の回数や時間を変えても食べようとしない

 

食欲不振の多くは、暑さによるストレスや体力の消耗が原因です。長期間続く場合は、栄養不足や体重減少につながる可能性があります。対処法としては、食事を小分けにして少量ずつ与える方法が効果的です。食事場所を涼しいところに移動させ、リラックスできる環境で食事を与えると、食欲が回復しやすくなります。

 

ウェットフードや冷たい食事は暑い日でも食べやすく、おすすめです。対処法を試しても、食欲不振が続く場合は他の病気の可能性もあるため、獣医師に相談してください。
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異常なだるさや休息の増加

 

 

夏バテになると、犬は普段以上に休む時間が増え、活発に動かなくなります。以下のような症状が出現した場合は注意が必要です。

 

  • 長時間の睡眠や休息
  • 活動量の減少
  • 散歩や遊びの拒否
  • 遊びへの興味低下

 

犬とのコミュニケーションに影響が出ることもあります。通常の声かけやコマンドに反応しにくくなったり、家族との触れ合いを避けたりすることがあります。エアコンや扇風機を使用し、犬が過ごしやすい温度を保ってください。散歩は日中を避けて、早朝や夜間に行いましょう。

 

犬の様子をよく観察し、異常を感じたら適切な対策を取ることが大切です。

 

水分摂取の変化

 

水分摂取量が増えたり減ったりするのも、夏バテの兆候です。以下のような症状が出現した場合は、注意してください。

 

  • 水を飲む頻度や量が変わる
  • 水を飲まなくなる
  • 水を吐き出す

 

上記の症状が出現した場合は、体内の水分バランスが崩れていることを示しています。脱水症状の兆候として、皮膚の弾力性が低下したり、歯茎が乾燥したりする場合もあります。水分摂取の観察以外にも、尿の量や色にも注目しましょう。尿量が減少したり、尿の色が濃くなったりしている場合は、脱水の可能性があります。

 

唾液の粘性が増し、舌が乾燥して変色することも水分不足のサインです。涼しい場所に移動させ、少しずつ水を与えましょう。犬用の水分補給ゼリーなどの水分を補える食品も効果があります。脱水が進むと命に関わる危険性もあるため、症状が改善しない場合は、獣医師に相談してください。
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呼吸の変化

 

 

犬は暑くなると、体温を調節するためにパンティングを増やしますが、異常に多い場合は夏バテの可能性があります。夏バテによる呼吸の変化は、以下のとおりです。

 

  • 呼吸が浅くて速くなる(パンティング)
  • 呼吸が荒くなる
  • 呼吸音が通常より大きくなる

 

呼吸の変化は、犬の体調不良を示す重要なサインです。鼻や喉から異常な音が聞こえたり、呼吸が不規則になったりする場合は注意してください。涼しい場所に移動し、体を冷やしましょう。濡れたタオルを使用して、首や脇の下を冷やすと体温を効率的に下げられます。

 

対処法を行っても呼吸の異常が続く場合は、早めに獣医師の診察を受けてください。

 

犬の夏バテ対策

 

 

犬の夏バテを防ぐためには、飼い主が環境を整え、犬の体調に配慮する必要があります。主な夏バテ対策は、以下のとおりです。

 

  • 涼しい時間に散歩する
  • 室内を快適にする
  • 十分な水分補給やバランスの良い食事をする
  • 冷却グッズを使用する

 

上記の対策を行うと、夏バテのリスクを軽減できます。犬が快適に過ごせるように、季節に応じた対応を心がけましょう。

 

涼しい時間に散歩する

 

散歩は犬の健康を維持するために欠かせませんが、夏場は時間帯に注意が必要です。夏の散歩は、早朝や夕方など涼しい時間帯に行いましょう。日中の散歩は、地面の熱さや直射日光により、体温が上昇するため危険です。

 

散歩前に地面の温度を確認し、熱ければ避けましょう。気温が高い日には、散歩時間を短くし、犬の様子を観察しながら調整してください。無理に長時間散歩を続けると、熱中症の危険が高まります。暑い日は室内でのアクティビティへの切り替えを検討します。

 

散歩コースは、日陰や風通しの良い場所で行いましょう。木の下や公園など、直射日光を避けられる場所は、犬の負担を軽減できます。散歩後は、犬の足裏や体の熱を冷やすケアが必要です。冷たいタオルやクールマットを使用し、体温を徐々に下げてください。

 

室内を快適にする

 

 

夏の暑さから犬を守るためには、室温や湿度の適切な管理が大切です。犬が快適に過ごせる理想の室温は20~25℃です。エアコンや扇風機を使用して、温度を保ちましょう。エアコンの風が直接当たらないように注意する必要があります。

 

湿度も重要なポイントです。湿度が高過ぎると蒸し暑さを感じやすくなり、犬に負担がかかります。除湿器やエアコンの除湿機能を使用し、50~60%程度の湿度を目安に調整してください。直射日光が室内に入らないように工夫すると室温の上昇を防げます。

 

カーテンやブラインドを使用し、必要に応じて遮熱フィルムを窓に貼ると効果的です。空気清浄機を使用して、室内の空気を清潔に保つのも有効です。夏場は窓を閉める機会が多いため、定期的に換気を心がけましょう。

 

十分な水分補給とバランスの良い食事をする

 

適切な水分補給とバランスの取れた食事で、夏バテのリスクを減らせます。犬は人間以上に暑さに弱いため、こまめに水分補給する必要があります。以下のポイントに注意して、水分補給を行いましょう。
» 犬の健康的な食事とは?おすすめの食材やポイントを解説

 

  • 新鮮な水を用意
  • 水分を多く含む食材を摂取
  • 氷の摂取

 

ボウルの水はこまめに交換し、清潔な状態を保ちます。スイカやきゅうりなど、水分を含む安全な食材を与えることも効果的です。氷は暑さを和らげながら水分補給できますが、与え過ぎや大き過ぎる氷は避けてください。食事に関する注意点は、以下のとおりです。
» 犬に与えてもいい野菜や与えてはいけない野菜、注意点を解説

 

  • 消化しやすい食事
  • 食事の量と回数の調整
  • 栄養価の高い食材の提供

 

胃腸に優しい低脂肪の食材を選ぶと、犬の負担を軽減できます。一度に大量に食べさせるよりも、小分けにして回数を増やしましょう。ビタミンやミネラルを含む食材を取り入れると、夏場に不足しがちな栄養素を補給できます。
» 犬の食事回数や決める要因を解説

 

食事の時間を涼しい時間帯に変更したり、食べやすい大きさに切り分けたりするなどの工夫も効果的です。
» 犬が食べていいものリストと注意点を徹底解説
» 犬が食べてはいけないものは何?食べてしまったときの対処法と注意点

 

冷却グッズを使用する

 

 

冷却グッズを利用すると、犬の体温を効果的に下げられます。代表的な冷却グッズと特徴、注意点は、以下のとおりです。

 

冷却グッズ名 効果 注意点
クールマット 寝転ぶだけで体を冷却できる 長時間の使用で冷え過ぎる可能性がある
冷却スプレー 体にスプレーし、冷却効果を発揮する 使用量を守り、犬が嫌がる場合は無理に使用しない
冷却タオル 水に浸して冷やし、首や体に巻き体温を下げる 首に巻く場合、きつく締めないように注意する
冷却ベスト 冷却効果のある素材で作られており、外出時に適している 適切なサイズを選択する
アイスキューブ・冷凍おもちゃ 噛むことで涼しさを感じ、遊びながら体温を下げられる 破損すると誤飲の危険があるため、定期的に状態を確認する
冷却グッズの特徴一覧

 

冷却グッズは犬の好みに合うものを選びましょう。合わないとストレスになる可能性があります。冷却グッズを選ぶうえでは、環境への配慮も大切です。室内では電気が不要なクールマットや、散歩や外出の際は冷却ベストがおすすめです。

 

急激に体を冷やすと健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、少しずつ冷やしましょう。犬に合った冷却グッズを使用し、夏バテを予防してください。

 

夏バテしやすい犬種

 

 

夏バテしやすい犬種は、以下のとおりです。

 

  • 短頭種
  • ダブルコートの犬種

 

短頭種やダブルコートの犬種を飼っている場合は、夏の暑さ対策に十分気を付ける必要があります。犬種に関係なく、高齢の犬や子犬、病気を持つ犬は夏バテしやすいため、注意してください。
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短頭種の犬

 

短頭種は、夏バテのリスクが高い犬種です。パグやフレンチブルドッグ、ブルドッグなどが代表的な短頭種です。短頭種は鼻が短く、気道が狭いため、呼吸が苦しくなりやすい特徴があります。気道が狭いとパンティング効果が十分に発揮されず、熱中症や夏バテにつながるリスクが高まります。

 

夏バテを予防するために、以下の対策を行いましょう。

 

  • 涼しい環境にする
  • こまめに水分補給する
  • 涼しい時間帯に散歩する
  • 冷却マットやクールベストを使用する

 

暑い日や湿度の高い日は、過度な運動は避けましょう。呼吸が荒く、ぐったりとしていて動きが鈍いなどの症状が現れた場合は、すぐに獣医師に相談してください。短頭種の夏バテ予防対策は、飼い主の細やかな気配りが欠かせません。注意深い観察を心がけ、夏バテ対策を行いましょう。

 

ダブルコートの犬種

 

ダブルコートの犬種は、寒さに強い一方で、夏の暑さには弱い傾向があります。ダブルコートは、寒さから体を守るための被毛ですが、暑い環境下では体温を放出しにくく、体温が上昇しやすくなります。代表的なダブルコートの犬種は、以下のとおりです。

 

  • ゴールデンレトリーバー
  • シベリアンハスキー
  • ポメラニアン
  • マルチーズ
  • シーズー

 

夏バテの予防には、こまめな水分補給や室内を快適にするだけでなく、ブラッシングが重要です。定期的にブラッシングをして、抜け毛を取り除き、通気性を良くする必要があります。ダブルコートの犬種は、寒い地域が原産地であることが多く、日本の高温多湿な環境が苦手です。

 

犬が快適に過ごせるように日頃から注意し、適切な対策を行いましょう。

 

犬の夏バテが疑われたときの対処法

 

 

犬に夏バテの症状が見られた場合の対処方法は、以下のとおりです。

 

  • 自宅で応急処置をする
  • 動物病院に受診する

 

自宅で応急処置をする

 

犬に夏バテの兆候が見られた場合、応急処置を行う必要があります。犬の夏バテに対する応急処置は、以下のとおりです。

 

対処法 ポイント
涼しい場所に移動する エアコンや扇風機を利用して室温を調整する
水分補給する 少量の水を少しずつ与える
体を冷やす 冷却タオルを使用する
安静にする 静かな環境でゆっくり休ませる
応急処置の対処法とポイント

 

犬の平熱を把握しておきましょう。犬の平均的な平熱は38.0〜39.0℃のため、39.0℃以上の場合は要注意です。体温はデジタル体温計を使用し、肛門で測定する方法が一般的です。嘔吐や下痢が見られる場合は、脱水症状を防ぐための水分補給をしましょう。
» 犬の下痢の原因や注意点、予防法を詳しく解説

 

応急処置を行っても症状が改善しない場合は、速やかに獣医師に相談してください。呼吸が荒く、意識がもうろうとしているなどの緊急性が高い場合には、早急な対応が必要です。

 

動物病院に受診する

 

夏バテの症状が悪化している場合や、応急処置で改善が見られない場合は、動物病院に受診し、治療を受ける必要があります。以下の症状が見られる場合は、速やかに受診してください。

 

  • 食欲不振が続く
  • 嘔吐や下痢が続く
  • 呼吸が荒い、または異常に速くなっている
  • 体温が上がり過ぎている
  • 普段と様子が明らかに違う

 

獣医師による診察で、夏バテだけでなく、他の病気や合併症の確認もできます。犬種や年齢に応じたケアの方法も教えてもらえるため、ためらわずに受診してください。

 

夏バテの予防や早期発見のためには、定期的に健康診断の受診もおすすめです。体調が良好なうちに診察を受けると、病気の早期発見や対策がしやすくなります。
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まとめ

 

 

夏の暑さは犬にとって負担です。涼しい環境や水分補給、バランスの良い食事で夏バテを防ぎましょう。異変があれば早めに動物病院を受診してください。

 

夏バテは犬にとって深刻な問題であるため、正しい知識を持ち、犬の健康管理に努めることが大切です。暑い夏でも犬と楽しく過ごせるように、しっかりと夏バテ対策を行いましょう。