「犬を飼いたいけれど、適した犬種や飼育方法が分からない」と悩む人は多いです。小型犬は飼育のための経済的な負担が少なく、住環境を選ばず、世話やしつけがしやすいため初心者に最適です。特性を把握しておけば、適切な飼育ができます。
この記事では、小型犬が飼いやすい理由と初心者におすすめの犬種、健康管理やしつけ方を詳しく説明します。最後まで読んで、小型犬との快適な生活を送るための基本の理解に役立ててください。
小型犬が飼いやすい理由
小型犬は初心者の飼い主にとっても扱いやすいペットといえます。以下では、小型犬が飼いやすい4つの理由を詳細に解説します。
- 経済的な負担が少ない
- 住環境に左右されにくい
- 手入れがしやすい
- しつけがしやすい
経済的な負担が少ない
小型犬が飼いやすい理由の1つは、経済的な負担が少ない点です。小型犬は食事量が少ないため、フード代が大型犬や中型犬に比べて低く抑えられます。
医療費も比較的安価で済むことが多いです。トリミングやグルーミングなどのケア費用も、小型犬用はサイズが小さいため経済的でしょう。初めて犬を飼う方や飼育費を抑えたい方に小型犬はおすすめです。
住環境に左右されにくい
小型犬の飼育には住環境に左右されにくいメリットがあります。特に都市部のアパートなど、スペースが限られた場所でも飼育しやすいです。体が小さいため、狭いスペースでも快適に過ごせます。一人暮らしでも飼育しやすいです。アパートや小さな家に住んでいても、小型犬なら他の住人に迷惑をかけずに飼育可能です。
小型犬は大型犬と比べて、運動のために必要なスペースも少なくて済みます。大きな庭がなくても、室内や近くの公園で適度に運動ができます。
飼い主の住む環境が頻繁に変わる場合でも、小型犬なら変化に柔軟に対応ができる点もメリットです。住環境が限られていたり、頻繁に移動したりするライフスタイルの人が飼育するのに適していると言えます。
手入れがしやすい
小型犬の体は小さいため、ブラッシングなどのケアがしやすく、手入れに時間がかからない点もメリットです。体が小さいと浴槽に入れるのも簡単で、家庭内で手軽に入浴させられます。洗面台が大きければ洗面所でシャンプーも可能ですし、小さな衣装ケースなどを小型犬専用バスタブにすることも可能です。
爪切りや耳掃除などの細かいケアも体が小さいと扱いやすいです。小型犬の中には抜け毛が少ない種も多く、家の清掃も楽です。小型犬の手入れは全般的に大型犬に比べて手間がかからないといえます。
しつけがしやすい
小型犬は集中力があり、指示に迅速に反応する性質を持つためしつけがしやすいといわれています。体が小さいため、室内でもトレーニングが行いやすいです。悪天候でも、トレーニングを継続できます。小型犬は人とのコミュニケーションを楽しむ傾向にあるため、積極的に学んでくれるでしょう。
小型犬は繰り返しの訓練が得意であり、短時間のトレーニングでも効果的に学べます。抱いて連れ出しやすいため、多様な環境に馴染ませて社会性を身につけさせることも容易です。
初心者におすすめの小型犬種
初心者の方におすすめの小型犬種に共通する特徴は以下のとおりです。
- サイズが小さい
- 性格がおとなしい
- 飼育が比較的容易である
以下では、5種類のおすすめ犬種について詳しく解説します。
- トイプードル
- チワワ
- ダックスフンド
- ヨークシャー・テリア
- パピヨン
トイプードル
トイプードルはフランスに起源を持つ、人気の高い小型犬種です。トイプードルの最大の特徴は、活発で知的な性質を持ち、訓練がしやすい点です。初心者の方でも比較的容易にしつけができます。
毛がカールしていて抜け毛が少ないのも大きな魅力です。アレルギーを持つ人でも安心して飼えます。ただし、毛のもつれを防ぐため、こまめにブラッシングを行う必要はあります。
トイプードルは非常に友好的で、家族との絆を深めやすい性格です。分離不安を感じやすい側面もあるので、長時間ひとりで留守番させることは避けましょう。
チワワ
チワワはメキシコ原産で、世界で最も小さい犬種です。アパートなどの狭い住環境でも飼育しやすい犬種です。チワワには、長毛種と短毛種の2タイプが存在します。
チワワは非常に活発で勇敢、愛情深く人懐っこい性格です。ペットとしても非常に人気があります。寿命は約12年から20年と長く、長期間にわたり家族の一員でいられます。
チワワは低血糖や歯と歯茎の問題、心臓病などにかかりやすいため、健康管理に注意が必要です。声が大きく吠え癖があるため、適切なしつけもしましょう。
» チワワの具体的な種類
» チワワの性格と飼うときのポイント
ダックスフンド
ダックスフンドはドイツ原産で、長い胴体と短い足が特徴の犬種です。元々は狩猟のために育てられており、獲物を地下の穴から追い出すために適した体形をしています。
ダックスフンドには、短毛、長毛、ワイヤー毛の3種類の毛種のタイプがいます。飼い主の好みや生活環境に応じて適したタイプを選ぶことが可能です。ダックスフンドは活発で、忠実で愛情深い性格だと知られています。
頑固な一面もありますが、適切にしつけ、愛情を込めて接すれば、飼い主の良いパートナーになります。ダックスフンドを飼う際は、背中の健康問題に注意が必要です。階段の昇降や高い場所からのジャンプを避けるよう配慮しましょう。
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリアは、小型犬種の中でも特に人気が高い犬種です。人気の理由としては、小さくて可愛らしい外見や飼いやすい性格が挙げられます。成犬でも体重は1.5kg〜3.2kg程度と非常に軽く、小さな住環境でも飼育が可能です。
ヨークシャー・テリアの被毛は長くてシルキーな質感があり、見た目の美しさが際立っています。美しい被毛を維持するためには、定期的なブラッシングと適切なケアが必要です。性格は活発で好奇心旺盛、自信満々の態度を見せることが多いです。
家族には愛らしい姿を見せる一方、訪問者に対しては警戒心を示し番犬のような振る舞いをする場合もあります。ヨークシャー・テリアには、飼う人を選ばない魅力があり、初心者の方でも比較的飼いやすい小型犬種です。
パピヨン
パピヨンはフランス原産の小型犬で、名前の通り蝶々のように美しい耳が特徴です。体重は約3.6〜4.5kgで、体高は20〜28cm程度。活発で愛情深い性格を持っています。パピヨンの寿命は約12〜16年と長く、学習能力が高いためしつけや訓練も比較的容易に行えます。
パピヨンは人懐っこく、好奇心旺盛であるため、家族の一員として迎え入れやすいです。適度な運動量で満足するため、アパートや都市部の住環境にも適応しやすいです。住居を選ばず飼いやすいメリットがあります。長い被毛を持つため、定期的なブラッシングは必要です。
膝蓋骨脱臼や心臓病といった犬種特有の健康問題が生じやすいため、定期的な健康診断の受診がお勧めです。
小型犬の健康管理
小型犬の健康管理は、体が小さいゆえに抱えやすい特有の健康問題に対処することが重要です。小型犬を飼う際に注意するべき、以下の3つの健康管理について解説します。
- 定期的な健康診断
- 適切な食事の管理
- 必要な運動量を確保
定期的な健康診断
定期的な健康診断は小型犬の健康を維持する上で非常に大切です。少なくとも年に1度は全身の健康診断を行い、体の状態によってはより頻度を高めることがおすすめです。
血液検査・尿検査・心電図・X線検査などを行えば、病気の早期発見と治療ができます。小型犬は遺伝的な疾患や年齢に応じた健康問題を抱えやすいため定期的な健康診断が重要です。小型犬が長く健康的な生活を送れるよう、忘れず実施しましょう。
適切な食事の管理
適切な食事の管理は小型犬の健康維持において非常に重要です。小型犬専用のフードを選べば栄養バランスが確保され、健康を維持しやすくなります。食事の量は個体ごとの体重や活動量に応じて調整してください。適切な食事の管理により、肥満や栄養不足を防げます。
人間の食べ物を与える際には注意が必要です。塩分や脂肪分が多い食品は避けましょう。定期的に体重測定を行ない、肥満または痩せすぎになっていないかを確認しましょう。食事の時間を一定に保って消化リズムを整え、消化器系の健康をサポートすることも大切です。
必要な運動量を確保
小型犬は体が小さいため運動不足になりやすく、体重の増加やストレスの蓄積につながる場合があります。毎日の運動を欠かさず行うことは、小型犬の健康維持のために重要です。
少なくとも1日30分の運動を心がけましょう。運動には散歩、軽いトレーニング、室内での遊びなどが含まれます。エネルギーを適度に消費し、ストレス解消ができる運動が必要です。運動の際は安全な環境で行うことにも注意しましょう。
小型犬との生活で気をつけるべきこと
小型犬との生活は非常に楽しいものですが、体のサイズが小さいゆえに特有の注意点もあります。小型犬は大型犬に比べて脆弱で、環境によっては怪我のリスクが高まります。小型犬との生活をより安全で快適にするために、以下の点に注意しましょう。
- 外出時の他の動物との接触に気をつける
- 犬の住まいの安全性を確保する
外出時の他の動物との接触に気をつける
外出時に他の動物との接触に気をつけることは、小型犬の安全を守るために非常に重要です。大型犬や野生動物との接触から小型犬を保護するために、常にリードを使用しましょう。リードを付れば過度な興奮を防ぎ、トラブルを避けられます。
小型犬は抱っこして移動することが多いですが、抱っこの姿勢が他の動物を興奮させる場合もあります。周囲の状況を見ながら適切な対応をするよう心がけましょう。
他の犬と遊ぶ際は、相手の犬の性格や体格を考慮し、衝突が起こらないように注意してください。他の動物との直接的な接触を避けるために、適切な距離を保つことも重要です。衛生面を考慮して、小型犬を他の動物のフンや尿に近づけさせないよう心がけましょう。
小型犬の住まいの安全性を確保する
小型犬の住まいの安全性は健康と幸せに直接影響します。寝る場所は床からの距離を保ち、冷えから守ってあげましょう。安心して休める静かな場所を用意するのも大切です。住まいは常に清潔にし、定期的に消毒を行ってください。
危険な物品や小物がないように整理することも大切です。コンセントや観葉植物なども気をつけましょう。夏場は適切な温度と十分な換気を確保し、熱中症対策を行いましょう。
小型犬は体が小さいため、家の中の小さな隙間に入り込んだり、高い場所から落下したりする危険もあります。家具の配置を工夫する、危険な場所にはアクセスできないようにするなど居住環境の整備が大切です。
小型犬のしつけポイント
小型犬のしつけでは、一貫性が非常に重要です。以下の2つのポイントを押さえれば、効果的なしつけができます。
- 基本的な命令の教育方法
- しつけの際の報酬の使い方
基本的な命令の教育方法
小型犬のしつけは幼い時期から始めるのが効果的です。基本的な命令から順に教えていきましょう。具体的な命令としては「座れ」「待て」「伏せ」といったシンプルなものがあります。基本的な命令は日常生活で必要なものであり、より複雑な命令を教えるための基盤となります。
基本的な命令の教育方法のポイントは以下の通りです。
- 声のトーンを使い分ける
- はっきりとした命令語を使う
- 簡単な単語やフレーズを使う
- 繰り返し練習する
- すぐに褒める
声のトーンは褒める時と叱る時を明確に区別するようにしましょう。褒めるときは明るく高い声を、叱るときは低く落ち着いた声を用いると効果的です。小さな成功でも大げさに褒めると、学習意欲を促進できます。家族全員が同じ命令語を使い、混乱を避けることも大切です。
トレーニングセッションは5〜10分ほどの短時間で行い、犬が飽きずに楽しみながら学べるようにしてください。毎日一定の時間に行うと、ルーティンが確立できます。トレーニングの後は、犬が飽きないように別の活動で気分転換を図ることも大切です。
トレーニングは早めに始めるとより効果的ですが、犬の年齢に関係なく基本的なトレーニングを行なえます。しつけがうまくいかないときは、プロのトレーナーに助言を求めましょう。
しつけの際の報酬の使い方
犬のしつけにおいて、報酬の使い方はとても重要です。正しい行動をした時に適切な報酬をあげることで、再び行動する動機を強化できます。遊ぶ、撫でるなどの食べ物以外の報酬も与え、食べ物に依存しないようにするのも大切です。犬にとって大きな魅力のある報酬を与えると、学習効果を促進できます。
報酬を与えるタイミングも重要なポイントです。正しい行動をした直後に報酬を与えれば、行動と報酬の関連が明確になり、何が正しい行動なのかを学びやすくなります。
犬が報酬を要求するたびに与えてしまうと、要求に応じた報酬を期待する癖がつくため注意が必要です。報酬を適切に使用すれば、しつけの効果を最大化し、犬との健全な関係を構築できます。
小型犬を飼う際に気をつけるべきこと
小型犬を飼う際に気をつけるべき点は、以下の2点です。
- 生活環境の整備
- 外出時の対策
生活環境の整備
適切な生活環境は、犬の安全だけでなく健康や幸福感にも大きく影響します。工夫できるポイントとして、以下が挙げられます。
- 小型犬専用の寝床を用意する
- 安全に遊べる専用のプレイエリアを設置する
- 隠れ場所や休憩スポットを設ける
- 室内を快適な温度と湿度に保つ
- 家具や電気コードなど噛むと危険な物は収納する
- 定期的な掃除をして衛生的な環境を保つ
- 犬が外部からの騒音に過剰に反応しないように措置を講じる
外出時の対策
外出時には他の動物や人との安全な距離を保ち、予期せぬ事故やトラブルを避けることが大切です。外出時の具体的な対策としては、以下が挙げられます。
- 小型犬専用のリードやハーネスを使用する
- 水分補給ができるよう、水筒を持参する
- 日差しや寒さから守るための服装を用意する
- 車や自転車など、急な危険から守るために注意深く見守る
まとめ
小型犬は、初心者が飼う犬種としておすすめです。多くのメリットがあり、経済的な負担が少ないことや、さまざまな住環境での飼育が可能な点などが挙げられます。
トイプードルやチワワは初心者に適した小型犬種です。しつけやすく、日常のケアもしやすい犬種を選ぶと初心者でも安心です。
小型犬の健康を保つためには、定期的な健康診断、適切な食事や運動に注意しましょう。生活環境を安全に保ち、効果的なしつけを行えば、快適に小型犬と過ごせます。重要なポイントを押さえたうえで、小型犬を新しい家族の一員として迎える検討をしてください。
