- 小型犬を迎えたいけど種類が多くて迷ってしまう
- ひとり暮らしでも飼いやすいのはどんな犬種だろう?
- 小型犬の種類によって違いはあるのかな?
小型犬を迎える際に、何から始めればいいのかわからない方は多いです。たくさんの種類がある小型犬は、比較的飼いやすい人気のペットです。
この記事では、人気の犬種や特徴、正しい飼い方について解説します。記事を読めば、犬種による違いや特徴を理解でき、犬にストレスをかけない正しい飼育方法がわかります。
小型犬とは
小型犬は体重が10kg未満で、成長しても体のサイズが比較的小さいことが特徴です。ぬいぐるみのようなかわいらしいサイズのため、都市部の住宅やアパートでも飼育しやすいです。
小型犬について、以下の点を詳しく解説します。
- 小型犬の定義
- 小型犬の飼いやすさとメリット
小型犬の定義
一般的に小型犬は、体重が10kg未満、体高が40cm未満の犬のことを指します。代表的な犬種には、チワワやトイプードル、ダックスフンドなどがあります。
小型犬や中型犬、大型犬には、正式な基準や定義はありません。大きさの基準は、犬種ごとの「体重」と「体高」で定められています。成長しても体重が10kg未満の小型犬は、ひとり暮らしや賃貸アパートでも飼いやすい犬種です。
小型犬の飼いやすさとメリット
扱いやすいサイズの小型犬は、ひとり暮らしやスペースの限られた家庭でも、快適に飼育できます。運動量を多く必要としない犬種の場合は、室内でも手軽な運動で楽しめます。
小型犬を飼うメリットは、以下のとおりです。
- 扱いやすいサイズで、日常生活が比較的管理しやすい
- 大型犬よりも飼育コストが抑えられる
- 大型犬に比べて、小型犬は寿命が長い傾向がある
小型犬の中には、運動量を多く必要とする種類もあるため、生活スタイルに合わせた犬種選びが大切です。運動量や性格の違いを理解して、理想的な小型犬を迎えましょう。
» 小型犬の寿命とケアの方法
人気の小型犬種類とその特徴
小型犬には多くの種類があり、見た目や性格に特徴があります。犬種ごとのポイントをしっかり押さえ、小型犬を迎える参考にしてください。
小型犬の中でも人気がある、以下の11種を解説します。
- トイプードル
- ポメラニアン
- チワワ
- ダックスフンド
- パグ
- ヨークシャーテリア
- シーズー
- マルチーズ
- ビションフリーゼ
- ペキニーズ
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
トイプードル
トイプードルは、小型犬の中でも特に人気が高いです。最初に広まったのがフランスのため、一般的にはフランス原産と言われています。活発で人懐っこく、頑固な一面もあります。
トイプードルの特徴は、以下のとおりです。
- 小さい順からトイ、ミニチュア、ミディアム、スタンダードの4つのサイズにわけられる
- 抜け毛が少ないため、犬アレルギーが出にくい
- こまめなブラッシングと、定期的なトリミングが必要になる
- 骨折や関節の問題、糖尿病などにかかりやすい
トイプードルの重要ポイント
定期的なトリミングが必須です。骨格が細いため、落下や衝撃による骨折に注意してください。健康面では骨折のほか、ひざのお皿がずれる膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼や、糖尿病に注意が必要です。
» トイプードルの種類とその魅力
» トイプードルの性格に合わせた最適な育て方
ポメラニアン
ドイツ原産のポメラニアンは、フワフワの見た目と活発な性格が特徴です。好奇心旺盛で警戒心が強いため、吠えやすい傾向があります。
ポメラニアンの特徴は、以下のとおりです。
- 活発で好奇心旺盛、吠えやすいため根気強いしつけが必要になる
- 抜け毛が多く、こまめなブラッシングが欠かせない
- カットには工夫が必要なため、トリミング時の相談が必須となる
- 呼吸器系の問題や骨折、歯周病などにかかりやすい
ポメラニアンの重要ポイント
こまめなブラッシングや、定期的なトリミングが必要です。気管虚脱や骨折に注意してください。健康面では、気管が狭くなり呼吸がしづらくなる、気管虚脱(きかんきょだつ)が多く見られます。
チワワ
チワワはメキシコ原産で、小さな体にウルウルとした大きな目が特徴です。小型犬の中では、世界でもっとも小さい種類と言われています。
チワワの特徴は、以下のとおりです。
- 活発で気が強い反面、神経質で臆病なため、ムダ吠えが多い傾向がある
- 被毛には、短いスムースコートと長いロングコートの2種類がある
- こまめなブラッシングは必要だが、トリミングは必須ではない
- 心臓病や呼吸器系、関節、脳の疾患にかかりやすい
チワワの重要ポイント
無駄吠えをしないよう根気強いしつけが重要です。心臓病や呼吸器の問題に注意してください。心臓病以外にも、気管虚脱やけいれんなどの症状がある水頭症(すいとうしょう)に注意が必要です。
» チワワの具体的な種類
» チワワの性格と飼うときのポイント
ダックスフンド
ダックスフンドはドイツ原産で、長い胴と短い脚のユニークな体型が特徴です。もともと狩猟犬としての性質から、興奮すると吠えやすい傾向があります。
ダックスフンドの特徴は、以下のとおりです。
- 活発で好奇心旺盛、興奮すると吠えやすいため、根気強いしつけが必要
- ダックスフンドのサイズには、カニンヘンやミニチュア、スタンダードの3種類がある
- 被毛は、スムースヘアーやロングヘアー、ワイヤーヘアーの3タイプにわかれる
- 椎間板ヘルニアや歯周病、クッシング症候群などにかかりやすい
ダックスフンドの重要ポイント
吠えやすい傾向があり、根気強いしつけが必要です。椎間板ヘルニアに注意してください。歯周病やホルモンの分泌が関係するクッシング症候群にも注意が必要です。
パグ
パグは古代中国から存在し、鼻ペチャで愛嬌たっぷりの表情が特徴です。フレンドリーで社交性が高く、子どもやほかの犬とも良い関係が築けます。
パグの特徴は、以下のとおりです。
- 愛嬌のある表情とフレンドリーな性格が特徴で、子どもがいる家庭でも飼いやすい
- とにかく食いしん坊なため、肥満にならないよう食事管理の徹底が必要になる
- 短頭種は呼吸器系の問題を起こしやすいため、とくに熱中症には注意が必要である
- 角膜炎や皮膚炎、パグ脳炎などにかかりやすい
パグの重要ポイント
鼻ぺちゃの短頭種は、呼吸器系の問題を起こしやすく、早めの冷房管理が必須です。パグがかかりやすいパグ脳炎にも注意してください。
ヨークシャーテリア
ヨークシャーテリアはイギリス原産で、チワワに次ぐ2番目に小さいサイズの小型犬です。美しい被毛と宝石のような目が特徴的で、ひとり暮らしや高齢者との相性が良いと言われています。
ヨークシャーテリアの特徴は、以下のとおりです。
- 活発で知的だが警戒心が強く、ムダ吠えしやすい傾向がある
- ひとり暮らしや高齢者に、最適な犬種と言われている
- こまめなブラッシングと、定期的なトリミングが必要である
- 先天性門脈シャントや心臓病、気管虚脱などにかかりやすい
ヨークシャーテリアの重要ポイント
ふらつきやけいれんなどの症状が出る、先天性門脈シャントに注意が必要です。
慢性的な下痢などが症状の腸リンパ管拡張症や気管虚脱も多く見られます。
シーズー
チベット発祥のシーズーは、中国宮廷で愛されてきた歴史があります。シーズーの特徴である、気品あふれる豪華な被毛には、定期的なトリミングが欠かせません。
シーズーの特徴は、以下のとおりです。
- 温和でフレンドリーな性格をもち、子供やほかの犬と良い関係を築ける
- 愛情深くひざの上を好み、高齢者との相性も良い
- 短頭種は呼吸器系の問題を起こしやすいため、熱中症には注意が必要
- 皮膚病や角膜炎、心臓病などにかかりやすい
シーズーの重要ポイント
短頭種は暑さに弱いため、早めの冷房管理を徹底してください。皮膚病や角膜炎、心臓病にも注意が必要です。
マルチーズ
マルチーズは、紀元前1,500年頃に地中海地域のマルタ島に持ち込まれた犬がルーツといわれています。活発で人懐っこい一方で、ムダ吠えが多い傾向があります。
マルチーズの特徴は、以下のとおりです。
- 活発で人懐っこい性格だが、過保護に育てるとムダ吠えする傾向がある
- ワガママにならないように、継続的なしつけが必要である
- 白い毛を清潔に保つため、こまめなケアと定期的なトリミングが欠かせない
- 心臓病や流涙症、膝蓋骨脱臼などにかかりやすい
マルチーズの重要ポイント
心臓病が多いため、定期的な健康診断をおすすめします。心臓病のほか、目の周りが汚れやすくなる流涙症(りゅうるいしょう)や膝蓋骨脱臼にも注意が必要です。
マルチーズの重要ポイント
心臓病が多いため、定期的な健康診断をおすすめします。心臓病の他、目の周りが汚れやすくなる流涙症(りゅうるいしょう)や、膝蓋骨脱臼にも注意が必要です。
ビションフリーゼ
ビションフリーゼは、フランスとベルギーの原産です。よく似ているビションフリーゼとトイプードルの違いとして、ビションフリーゼはダブルコートのため、よりボリュームがあります。
ビションフリーゼの特徴は、以下のとおりです。
- 活発で遊び好き、子供やほかの犬とも良い関係を築ける
- トイプードルよりも見た目にボリュームがあり、丸くガッシリしている
- 被毛は白くて柔らかく、日頃のケアと定期的なトリミングが必要
- 皮膚病や膝蓋骨脱臼、熱中症などにかかりやすい
ビションフリーゼの重要ポイント
ボリュームのあるヒモは暑さや蒸れに弱いため、冷房管理が必要です。膝蓋骨脱臼も多くみられるため、日頃のチェックを心がけましょう。
ペキニーズ
ペキニーズは中国原産で、顔周りのライオンのような豊かな被毛と、気品のある独特な魅力が特徴です。マイペースで警戒心が強く、知らない人には冷たい態度を示すところがあります。
ペキニーズの特徴は、以下のとおりです。
- 気性が荒い一面があるため、継続的なしつけが必要
- 毛量や抜け毛が多いため、こまめなブラッシングと定期的なトリミングが必要
- 暑さに弱い短頭種のため、熱中症には注意が必要
- 鼻腔狹窄や気管虚脱、結膜炎などにかかりやすいので注意が必要
ペキニーズの重要ポイント
暑さに弱いため、早めの冷房管理を徹底してください。気管虚脱や結膜炎、鼻の穴が狭くなる鼻腔狭窄(びくうきょうさく)にも注意が必要です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルはイギリス原産です。長く美しい被毛が特徴で、明るく人懐っこい性格のため、子どもやほかの犬とも仲良くできます。
キャバリアの特徴は、以下のとおりです。
- 人懐っこいフレンドリーな性格で、子どもやほかの犬との相性が良い
- 遊び好きで甘えん坊なため、たっぷりのスキンシップがおすすめ
- 毛色には、ブレンハイムやルビー、ブラック&タン、トライカラーの4種類がある
- 心臓病や目の問題、鼻腔狹窄などにかかりやすい
キャバリアの重要ポイント
こまめなブラッシングが必要です。心臓病が多くみられるため、定期的な健康診断をおすすめします。心臓病のほか、結膜炎や角膜炎、短頭種に多い鼻腔狭窄にも注意してください。
小型犬の飼い方
小型犬の健康な体と幸せな生活を維持するためには、快適な環境作りと食事管理が重要です。安全な室内環境を整え、正しい栄養管理を行うことで、快適な毎日が送れます。
小型犬との生活をより充実させるため、以下について解説します。
- 飼育環境の整備
- 食事と栄養管理
- 日常のケアと注意点
飼育環境の整備
小型犬を迎える際は、最適な飼育環境が重要です。安全で清潔な環境で毎日を過ごすことで、幸福度が上がります。
飼育環境の整備は、以下を参考にしてください。
- 適切な犬用ベッドやトイレ、オモチャなどを用意する
- 水と食事は、落ち着けるスペースに配置する
- 健康に適した室温と湿度を保つ
- 定期的な清掃と消毒を行い、衛生的な環境を維持する
- 自由に運動できるスペースを確保する
- 自然の光や風を感じられるように、窓や照明を利用する
- 脱走や侵入から守るために、フェンスやゲートを設置する
小型犬は、暑さや寒さですぐに体調を崩してしまいます。室温と湿度の徹底管理が大切です。定期的な清掃や消毒で清潔な環境を保ち、ストレスの少ない快適な生活を送りましょう。
食事と栄養管理
適切な食事と栄養管理は、健康な体を作るための重要なポイントです。バランスのとれた高品質な食事を選ぶことで、健康な体を維持できます。
食事と栄養管理については、以下のとおりです。
- 年齢や健康状態に合わせて、バランスのとれた高品質な食事を選ぶ
- 肥満や痩せ過ぎに注意し、カロリー管理を徹底する
- 基本的には、小型犬が食べやすい小粒の食事を選ぶ
- 成犬では、食事の回数は1日2~3回にわけて与える
- 食事の時間に余裕をもたせ、だいたいの決まった時間に与える
- いつでも新鮮な水が飲めるようにしておく
- 特定の健康問題に対応した特別食については、獣医師に相談する
適切な食事管理を行い、健康的な生活を送りましょう。
» 小型犬の寿命とケアの方法
日常のケアと注意点
小型犬には、こまめなブラッシングや適度な運動、病気予防などの日常のケアが必要です。ポイントを押さえれば、ストレスの少ない健康的な毎日を過ごせます。
日常のケアと注意点は、以下のとおりです。
- 基本的なしつけを行い、社会性を育てる
- 適度な散歩や運動で、適正体重を維持する
- 歯石がつきやすいため、毎日の歯みがきを習慣化する
- 定期的な健康診断やワクチン接種を行い、病気の早期発見・早期治療を心がける
- 性格や行動の変化に注意し、できるだけストレスが少ない環境を作る
小型犬にも毎日の散歩が必要です。ただ、初めての散歩は怖いものです。怖がるからと散歩をやめてしまうと、散歩が苦手になってしまいます。少しずつ距離を伸ばして慣らしていき、外の楽しさを教えてあげましょう。
» 小型犬に適した散歩時間
まとめ
小型犬は、ひとり暮らしやスペースが限られた家庭でも飼える犬種です。飼育環境を整え、適切な食事管理や日常のケアを行うことで、健康で快適な生活が送れます。
小型犬の特徴や飼いやすさは、以下のとおりです。
- 小型犬には多くの種類があり、犬種特有の魅力的な特徴がある
- 適切な飼育環境や食事、日常のケアが重要である
- 大型犬よりも比較的寿命が長く、適切なケアによって健康を維持できる
- 小型犬との生活は、なによりも日々の生活を豊かにしてくれる
小型犬との生活は、日々の生活を豊かにするだけでなく、深い絆が生まれます。犬種ごとの特徴を理解した、適切なコミュニケーションが重要です。
性格や運動量、トリミングの必要性などを考慮して選び、小型犬との生活を楽しんでください。